今日の授業中突然、
「センセー、もう、高校嫌やっ」
とM君がやってきた。
いきなりそう言うからにはおそらくなにか深刻な出来事があったに違いない、と元教師としての血が騒ぐ。
「どうしたっ、なんかあったか?」
「実は、仲のいい友達に…
彼女が出来てしまったあ」
興奮するM君を落ち着かせ、話をゆっくり聞いてやる。
どうやら「こいつは絶対彼女できんだろ」確信していた肉まんじゅうみたいな友達が、夏休みの間に彼女を作ってしまったらしい。
「なんであんなのに彼女なんか…」
「分かった、分かったどうせ肉まんじゅうだろ?大した彼女ではないはずや。」
「ううん、可愛い…」
「うっ(フォローできない…)、いやいや、まだ外にもいるだろ、女の子?」
「ううん、夏休みの間にみんなカップルになってしもうた…」
「うっ(フォローできない…)、いやいや、彼女おらんヤツのほうが多いんやで、な、◯君?」
と小学生に話題をふったら
「いや、おる。」
まさか予想外の返事が。
もうダメだ、フォローしきれない。
呆然と立ち尽くすM君。
沈黙後、
「こうなったら、みんなに嫌がらせのメールでも書いてやる」
とぼそっとつぶやいて帰っていった。
「彼女できん原因は
そこや」