今日突然やってきたのは受験生の兄。
数年前までここで受験勉強していた奴だ。
いつもフラっとあそびにきて、テキトーにだらだら話して帰っていくのだが、さすがにこっちはテスト期間中である。さっさと帰ってもらうに越したことはない。
「ゴメン、用事はないのでかえってー」
「えー、アイス買ってきてあげたのに。」
「ええよ、いても。」
イカン、思わずアイスに釣られてしもうたやないかー、と思いつつ、うちの冷蔵庫は冷凍庫がないので、仕方なく食べる。
「で、今日はどうしたんや。」
「え、勉強しに来た。」
「で、本当の目的は何や。」
「勉強。」
本気のようである。
どうやら将来につきたい仕事が見つかったらしい。
その目標に向けて勉強が始まったようである。
今まで勉強しなかったのに、夢に向かって勉強をするようになった、それはそれで嬉しいことだ。
その前向きな姿はきっとその時来ていた小中学生の心にも響いたに違いない。
ま、勉強をしなかった子が勉強をするようになった姿よりも
「今よりも25キロも重かった中学卒業時の姿」
の方に衝撃を受けていたようだが。